「年末年始やゴールデンウィークは繁忙期、それ以外は閑散期」——これは日本人ゲストを前提にした発想です。しかし海外旅行者は、日本とはまったく異なる休暇カレンダーで動いています。この記事では、日本の連休と海外の休暇シーズンのズレを踏まえた、国際集客の考え方を解説します。
そもそも「日本の連休」は世界共通ではない
ゴールデンウィーク(4月末〜5月上旬)や年末年始(12月末〜1月上旬)は、日本人にとっては代表的な大型連休ですが、海外の旅行者にとっては必ずしも特別な休暇シーズンとは限りません。海外からの旅行需要を考える際は、日本のカレンダーではなく、主要な訪日国の休暇カレンダーを基準に考える必要があります。
主要な海外の休暇シーズンの例
具体的な日付は国や年によって変動しますが、一般的な傾向として、以下のような休暇シーズンがあります。
- 欧米のクリスマス〜年始休暇(おおむね12月中旬〜1月上旬):家族旅行が多くなる時期。日本の年末年始とも一部重なります
- 旧正月(春節、おおむね1月下旬〜2月中旬、年により変動):中国・台湾・韓国など東アジア圏で最大級の旅行需要が発生する時期
- イースター休暇(欧米、おおむね3月末〜4月、年により変動):ヨーロッパを中心に家族旅行が増える時期
- 夏休み(欧米、7月〜8月に集中):学校の長期休暇に合わせた家族旅行のピーク
- サンクスギビング(米国、11月下旬):大型連休として旅行需要が発生する時期
日本の連休と海外休暇のズレが生む機会
ゴールデンウィークは、欧米にとっては「普通の時期」
日本人にとっての大型連休であるゴールデンウィークは、欧米の旅行者にとっては特別な休暇シーズンではありません。一方で、この時期は日本人の国内旅行需要と競合するため、インバウンド向けの空室確保がかえって難しくなることもあります。
春節シーズンは、東アジア圏からの需要が集中する
日本人にとってはただの平日が続く1月末〜2月にかけて、中国・台湾・韓国などの旅行者にとっては最大級の旅行シーズンにあたります。この時期を「閑散期」として扱ってしまうと、実際には強い需要がある市場を取りこぼしてしまう可能性があります。
年末年始は、日本人の帰省需要と欧米の休暇需要が一部重なる
年末年始は日本人にとって帰省・国内旅行のシーズンである一方、欧米にとってもクリスマス〜年始休暇と時期が重なるため、インバウンド需要も同時に高まる傾向があります。
この違いを踏まえた集客戦略
自社の主要マーケットに合わせて繁忙期を捉え直す
「インバウンド市場、今後注目すべき国・地域はどこか」で紹介したように、自社の主要な訪日客の国籍によって、重視すべき休暇シーズンは異なります。台湾・韓国・中国からのゲストが多い宿であれば春節シーズンを、欧米からのゲストが多い宿であれば夏休みやイースターシーズンを、それぞれ重点的な集客対象期間として捉え直すことをおすすめします。
「日本人の閑散期」を「海外向けの繁忙期」として活用する
日本人にとっての閑散期であっても、海外の休暇シーズンと重なる時期であれば、インバウンド向けの集客を強化することで、年間を通じた稼働率の平準化につなげられます。
各休暇シーズンに合わせた英語コンテンツ・プランを用意する
春節シーズンに向けた特別プランや、クリスマス・年始休暇に合わせた家族向けプランなど、対象となる休暇シーズンに合わせたコンテンツを事前に用意しておくことで、その市場からの需要を効果的に取り込めます。
注意点:休暇の具体的な日付は年によって変動する
春節やイースターのように、年によって日付が大きく変わる休暇もあります。集客戦略を立てる際は、対象となる年の正確な日程を毎年確認し、コンテンツやプランの準備タイミングを調整することが重要です。
まとめ:自社にとっての「本当の繁忙期」を見直す
日本の連休カレンダーだけを基準に集客戦略を考えていると、本来もっとも需要が見込める海外の休暇シーズンを見逃してしまう可能性があります。「一度作って終わりじゃない、国際集客の月次改善サイクルとは」で紹介した月次の見直しの中に、海外の休暇カレンダーを踏まえた繁忙期の確認も組み込んでみてください。
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